トピックス
<2026年6月の視点>
代表取締役CEO兼社長
山内 英貴
6月の金融市場は、中東情勢を巡る緊張の高まりから始まり、原油や金価格が急騰する一方、その後は停戦期待の高まりとともに株式市場が急速に回復するなど、リスクオフとリスクオンが短期間で入れ替わる、非常に変化の速い1か月となりました。当ファンドもこうした市場環境の影響を受け、成長型は▲0.6%、安定型は▲0.3%と小幅な調整となりました。
今回私たちが注目したのはパフォーマンスそのものではなく、市場が不確実性を織り込むスピードが明らかに変化していることです。従来であれば、これほどの地政学リスクは長期間にわたり市場の重石となることが少なくありませんでした。しかし今回は、企業業績への期待、とりわけAI関連投資を背景とした成長期待や潤沢な流動性に支えられ、市場は不確実性を比較的短期間で織り込み、リスク資産への資金配分を回復させました。
一方で、インフレ圧力や財政赤字の拡大といった構造的な課題が解決したわけではありません。地政学リスクも決して後退したわけではなく、長期金利や資源価格は引き続き市場の重要な変動要因です。つまり、市場が不確実性を素早く吸収するようになった一方で、ボラティリティが高止まりしやすい環境は今後も続く可能性があります。
私たちは、このような市場環境を「名目成長レジーム」の特徴と考えています。名目成長が企業業績を支え、株式市場には追い風となる一方で、インフレ、金利、財政、地政学リスクが断続的に市場の変動性を高める。こうした環境は、今後数年にわたり投資家が向き合う基本シナリオになる可能性があります。このような局面では、市場の方向性を予測すること以上に、変化に適応できる意思決定の枠組みを持つことが重要です。当ファンドでは、長期分散投資という原則を維持しながら、市場レジームの変化に応じてポートフォリオを継続的に点検し、リターン源泉の組み合わせを最適化してまいります。株式による長期的な成長を中核に据えながら、ヘッジファンドをはじめとするオルタナティブ資産を組み合わせることで、市場の方向性だけに依存しない、より強靱なポートフォリオの構築を目指してまいります。
市場環境は今後も変化を続けるでしょう。しかし、その変化を正確に予測することはできません。だからこそ私たちは、市場の方向性を当てることよりも、変化に応じて冷静に意思決定を積み重ねることが、長期的な資産形成につながると考えています。
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