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<2026年1月を振り返って>山内英貴
代表取締役CEO兼社長
山内 英貴
直近の市場を振り返ると、株式、債券、為替、商品といった多くの市場で、これまで続いてきた長期的なトレンドが相応に成熟してきた可能性を感じさせる動きが目立ちました。これは直ちに大きな調整を意味するものではありませんが、アベノミクス以降、長らく続いてきた「同じ方向に持ち続ければ安心」という局面が、少しずつ変わりつつあることを示唆しているのかもしれません。
往々にして、長期トレンドが伸びきった局面では、市場は一段と個別材料に敏感になります。小さな政策の変化、金利や為替の動き、政治イベントなどが、これまで以上に価格に影響しやすくなり、値動きの振れ幅も大きくなりがちです。結果として、伝統的な資産クラスの相関(コリレーション)が崩れて、思わぬ方向に動いてしまう場面も増えてきます。
このような環境で重要になるのは、「次に何が上がるか」を当てにいくことではなく、トレンドが転じやすい局面でも耐えられる構造になっているかという点だと思います。そもそも難しい相場予測の精度を高めようとすることよりも、予測が外れたときの耐久性を確保することの方が、長期投資でははるかに重要だと思います。
その意味で、ヘッジファンドは、伝統的な資産とは異なる役割を果たします。ヘッジファンドは、株式や債券のように「成長」や「金利水準」そのものに依存するのではなく、価格の変動、トレンドの転換、市場参加者の行動の偏りといった、異なるリターンの源泉を追求します。その結果、伝統資産とは異なるタイミング、異なる方向に動くことも多く、これがポートフォリオ全体のリスク分散につながります。負の相関(逆相関)を目指すのではなく、ゼロに近い小さな相関を目指すのです。
さらに、現在のように市場の不確実性が高まりやすい局面では、ボラティリティそのものがリターンの源泉となり得る点も重要です。金などコモディティを含む多くの伝統資産にとって、価格変動の拡大はリスクでしかありませんが、運用手法によってはそれ自体が収益機会となります。ヘッジファンドは、こうした特性を持つ数少ない資産クラスのひとつです。
GCIエンダウメントファンドでは、株式を長期的な成長の柱としつつ、オルタナティブ投資としてのヘッジファンドを組み合わせることで、トレンドが順調な局面でも、揺らぎが生じる局面でも対応できる構造を目指しています。市場の先行きを当てにいくのではなく、環境は常に変化するということを前提に組み立てる運用戦略です。
多くの市場で前提条件が書き換えられつつある現在、投資家に求められるのは、動きを先読みすることではなく、変化を受け止めながら、淡々と続ける姿勢だと考えています。当ファンドでは、円ベースでのリスク管理を最優先しながら、世界経済の成長と市場のボラティリティの双方をリターンの源泉として取り込む運用を、引き続き継続してまいります。
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