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2026.04.10 from the CEO

<2026年3月を振り返って>山内英貴

代表取締役CEO兼社長
山内 英貴

複数のリスク要因が同時に顕在化し、分散効果が一時的に低下する局面となりました。
今月の金融市場は、地政学、インフレ、金利といった複数の要因が同時に市場を動かす展開となり、久しぶりに大きな調整局面となりました。

当ファンドのパフォーマンスも影響を受け、月次では成長型▲6.1%、安定型▲4.1%と、マイナスとなりました。背景には、株式、為替、商品などほぼすべての資産クラスが同時に下落する局面となったことがあります。加えて、インフレ懸念の再燃を背景に債券市場も下落し、従来分散効果が期待されていた資産間の相関が一時的に高まる形となりました(※当ファンドの成長型では債券は組み入れておりませんが、市場環境として重要です)。
今回の調整では、まず金利と為替の変動が市場全体に波及し、さらに商品市場に影響が広がる形となりました。特に金や銀といった貴金属価格は大きく調整し、インフレヘッジ資産であっても短期的には金利やドルの動きに強く影響を受けることが改めて確認されました。

加えて3月は、中東情勢、とりわけイランを巡る緊張の高まりが市場のリスク認識に大きく影響しました。地政学リスクの高まりはエネルギー価格や為替市場を通じて金融市場全体に波及し、ボラティリティを押し上げる要因となります。
このように今月は、インフレ認識の変化、金利・為替の変動、地政学リスクが同時に作用し、多くの資産クラスが同時に下落する局面となりました。これは長期的に続いてきた市場トレンドが成熟しつつある局面で見られる特徴でもあります。特にインフレ環境の下では、債券が実質的な分散資産として機能しにくくなり、従来の株式と債券の組み合わせだけでは十分な分散効果が得られない可能性が改めて示された形となりました。

長期的視点からの市場環境認識については、ビッグ・ピクチャー「名目成長レジームへの転換」と題したレポートを当社HPで公開しておりますので、ぜひ参考までにご一読いただければ幸いです。

当ファンドでは、株式による長期成長に加え、ヘッジファンドなど伝統資産とは異なるリターン源泉を組み合わせることで、ポートフォリオ全体の安定性を高めることを目指しています。特にヘッジファンドは、市場のボラティリティや価格の歪み、トレンドの変化を収益機会として捉えることができるため、今回のように複数の要因が同時に市場に影響を与える環境において重要な役割を担います。当月は単月でみると、2つのヘッジファンドともにマイナスリターンとなりましたが、数か月タームでみると伝統資産との低い相関を維持しながら、比較的安定したリターンを期待することができると考えています。
財政金融政策、地政学、インフレといった要因が同時に市場に影響する現在の環境では、市場の短期的な動きを予測することよりも、変化する環境の中でも持続的に運用を続けられるポートフォリオを構築することが重要だと考えています。GCIエンダウメントファンドでは、株式を長期成長の柱としながら、ヘッジファンドなどのオルタナティブ資産を組み合わせることで、市場の変動とインフレ環境の双方に対応できる運用を引き続き行ってまいります。

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