トピックス

TOPICS

<2026年8月の視点>

代表取締役CEO兼社長
山内 英貴

 8月の金融市場は、株式が世界的に上昇する一方で、債券と不動産投資信託(REIT)が下落しました。ただし、今月の主役は株式ではなく、金利だったと考えています。当ファンドは、成長型が+1.1%、安定型が+0.3%となりました。日本株や米国株、新興国株がプラスに寄与した一方、国内・海外のREITがマイナスとなりました。ヘッジファンドは、2つの戦略の損益がほぼ相殺し、全体としては横ばいでした。

 今回注目したいのは、長期金利が「一世代ぶり」の水準に戻ってきたという点です。8月は、日本の10年国債利回りが2.95%台、ドイツが3.3%台、フランスが4.1%台へと上昇しました。中東情勢を受けた原油価格の上昇や、各国中央銀行の金融政策を巡る見方の変化などが背景にあります。これは、単に金利が高くなったという話にとどまりません。この四半世紀、私たちは低金利を前提とした資産運用の常識の中にいました。債券は、それ自体では大きく増えないけれども、株式が下落したときに支えてくれる資産である。そうした関係を当然のものとして考えてきました。しかし、低金利という前提そのものが変わっていく過程では、資産同士の関係も変わります。 8月は株式が上昇する一方で、金利の影響を受けやすいREITは下落しました。市場全体が上がったか下がったかではなく、金利という一本の軸が資産を選別し始めていると捉えています。

 だからこそ、当ファンドは株式と債券という二本柱だけに頼らない設計にしています。ヘッジファンドを組み入れているのは、リターンの源泉を増やし、株式や金利とは異なる要因から収益を得る可能性を持つためです。8月のヘッジファンドの寄与はほぼ横ばいでしたが、株式が上昇した月に同じように上昇しなかったこと自体を問題とは考えていません。本当に問われるのは、市場環境が変化したときに、株式とは異なるリターン源泉として機能するかどうかです。

 金利をめぐる環境の変化は、数か月ではなく、数年をかけて進んでいくものだと考えています。その間も、年に一度、基本資産配分を定め、それを運用の軸とするという考え方を変えるつもりはありません。変えるべきなのは市場が動いたときではなく、私たちが置いている前提そのものが変わったと判断したときです。市場の短期的な動きに反応するのではなく、その内側で起きている構造的な変化を捉え、必要なときには資産配分そのものを見直す。そうした判断を積み重ねながら、長期の資産形成につなげてまいります。

※上記コメントは、2026年9月7日に作成したものです。

×